ワイン会
今回のワイン会のテーマは「アルザスとサヴォア」でした。
アルザスは様々な造り手のワインが手回っていますが、サヴォア産のものはとても少ないのが現状。入手がなかなか大変だったりします。当店取り扱いのワイン
サヴォワ一帯は山岳地域ですが、標高の違いや湖などの影響により気候条件が複雑で、そのテロワールは場所によって異なり一様ではありません。産地の場所も、ジュネーヴにほど近く有名なレマン湖のほとり、またこの湖から流れ出るローヌ川沿い、支流のイゼール川沿いなど広範囲に点在する形となっています。
サヴォワはジュラだけでなく、ブルゴーニュ南部やローヌ北部といった産地と距離が近い地域。こうした地理的な要因もあって、シャルドネ、アリゴテ、ガメイ、ピノ・ノワールなどのブルゴーニュ系品種に、マルサンヌ、ルーサンヌといったローヌ系品種なども栽培されています。 その他にもお隣のスイスでは定番のシャスラや、ジャケール、モンデューズ、グランジェなどといった、あまり知られていない土着品種がいくつか存在。これらのブドウを単独、もしくはブレンドで使用している事も、サヴォワのワインならではの個性を形作っています。一口にサヴォワのワインと言っても、このようにいくつもの品種が多様なテロワールで育まれる事で、いろいろなタイプのワインが存在しているのです。
サヴォワ地方の中心地であるヴァン・ド・サヴォワは、1973年に認められたAOC。レマン湖からグルノーブル北のサント・マリダロあたりまで南北に伸びているワインの産地。サヴォワ県のほか、オート・サヴォワ県、イゼール県、アン県の59村にまたがっています。白ブドウ品種ルーセットで作られた辛口白ワインにのみ、ルーセット・ド・サヴォワのAOCが認められている。発泡性ワインはヴァン・ド・サヴォワ・ムスーのAC表記となります。豊富な日光があり、寒暖差の激しい気候。ブドウ栽培が行われている石灰岩の土壌は、日中に暖かさを蓄え、夜に冷え込むと蓄えた熱を開放する特徴がある。水はけがよいものの降水量が多く、ブドウの生産量は少ないが高い品質のものが生産されています。
ヴァン・ド・サヴォワで作られているのは主に辛口の白ワイン。フレッシュでミネラル豊かな味わいが特徴的です。作られている葡萄の数は多く、ワインの特徴もさまざま。ジャケール、ルーサンヌはフルーティで豊かな味わいの白ワインに、アルテス、シャスラ、アリゴテ、シャルドネがフレッシュで軽やかな白ワインに使用されています。
白ワインが多く造られるサヴォワ地方ですが、赤ワインも少量ながら造られています。著名品種では、ピノ・ノワール、ガメイなどブルゴーニュと同じ品種が使われており冷涼な気候な為、飲みやすく軽やかなフルーティーなワインが出来上がります。 土着品種ではモンドゥーズと呼ばれるシラーの兄弟(両方ともモンドゥーズ・ブランシュと他品種の自然交配)に当たるスパイシーで色の濃いフルーティーなワインが造られます。味わい的にはシラーとピノ・ノワール、ガメイの中間に位置するジューシーながらもタンニン分が割と豊富な味わいです。
栽培方法や醸造にこだわった、新しい世代による、優れた造り手が増える傾向にあり、今後の活躍が楽しみな産地です。
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