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ブルゴーニュ・ルージュ [2018] シルヴァン・パタイユ

Bourgogne rouge  / Domaine Sylvain Pataille (赤)750ml
コート・ド・ニュイの北の端、マルサネの評価を一新する力量を持つ生産者。当主シルヴァン・パタイユは、ボーヌとボルドーの二つの醸造学校を卒業後、故郷ブルゴーニュで醸造コンサルタン トとして活躍。1999年に祖父の畑を譲り受け、自社生産を開始。現在は契約畑を含め15haを耕作する。2008年からは一部の区画でビオディナミも開始。醸造は野生酵母のみで、原則的に全房で 発酵させ、過度な抽出を避け、まるで果皮を煎じるようにゆっくりと長めのマセレーション(30日前後)を行う。熟成には大樽も併用。その結果生まれるピノ・ノワールは、温かさの奥に確たる エネルギーに溢れ、ミネラル風味と清涼感、美しい果実味と繊細な味わいがある。亜硫酸使用も非常に低く、ナチュラル志向が感じ取れる。ロゼにも1930~1956年植樹の古木を使用。マルサ ネ・ルージュ・ランセストラルは1930~1945年植樹の古木のみ使用する。その手腕は現地でも高く評価され、現在醸造コンサルティングの契約も15社に増加している。 果実味溢れる仕上がりのブルゴーニュ・ルージュ。樽(新樽15%)で醗酵、古樽で12ヶ月の熟成

ブルゴーニュ・ルージュ [2018] シルヴァン・パタイユ

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コート・ドールの北端、ディジョンの南わずか数 km に位置するマルサネ。と かく、コート・ド・ニュイ・ヴィラージュの高質なものと比べられて、骨格や厚み が乏しく、評価されることが稀な地域。 しかしながら、この地でも世代交代のさなかに、素晴らしい造り手が登場しま した。まさに、「呉下の亜蒙にあらず」(三国志演義)で、旧容を一新しての登場です。温暖化に伴い、コート・ドール北 端のこの地は、好ましい環境に変化していることもあり、一昔前のイメージをがらりと変えてしまうような、マルサネの ご案内です。 シルヴァン・パタイユ(33 歳)は、シュノーヴ村に数代続くブドウ栽培の家に生まれました。小さな頃から祖父のそば に張りつき、畑で遊び、セラーで樽をころがすのが何より好きで、自然にワイン造りの道に入りました。しかし、自ら醸 造・ビン詰をしたのは、シルヴァンの代になって初めてのことです。1997 年から醸造コンサルタントを始め、1999 年に 1ha に満たない大変古い畑(マルサネ・ルージュ・ラ・モンターニュ)を祖父から引き継ぎ、2001 年にドメーヌ・シルヴァ ン・パタイユを興しました。 醸造コンサルタントとしての才能は評価が高く、現在15ものドメーヌで、コンサルティングを行っていますが、自身の ドメーヌの栽培面積は 15ha あります。ほとんどの畑は、賃借契約ですが、コンサルタントの仕事のおかげで、人脈に 恵まれ、樹齢の高い恵まれた畑を契約しています。 2008 年からは一部ビオディナミで栽培を始め、野生酵母で発酵、清澄をせず、軽く濾過をしてビン詰をします。味わ いの奥に温かさとエネルギーを感じさせ、ミネラルがしっかりと味わいを支え、緯度の高さからくる涼やかさがあります。 派手で濃縮された技巧的なピノ・ノワール酒とは程遠くて、バランスがよく、美しい果実味を備えた繊細な味わいが身 上です。亜硫酸の使用量も大変低いため、一 口味わっただけで、自然派の考えで造られた 完成度の高いワインであることがわかります。 とりわけ、樹齢の高い最上のプロットから生ま れる《ランセストラル》は、シルヴァンの腕の素 晴らしさを感じとることができます。全梗で、2 年に及ぶ醸造で造られ、マルサネよりはるか に格上のワインと、ブルゴーニュの専門家の間 でもっぱらの評判です。良いコンディションを保 ち、持ち味を存分に発揮できるように、注意深 く扱えば、きっとブルゴーニュの新たな味わい が目の前に現れ、驚きに満ちた喜びを感じることができること、間違いありません。私は、このワインの到着を、毎日 心待ちにしていました。通関が切れ次第、スタッフ一同で味わうことを楽しみにしています。だって、本当はピノ・ノワー ル酒が大好きなのに、なかなか、心に響く味わいに出会えなかったのですから。 ≪合田泰子のラシーヌ便り_no89, 3月号より≫

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