Vosne Romanee “Aux Reas” / La Maison Romanee Oroncio (赤)750ml
1級畑クロ・デ・レアに隣接する畑で斜度があるので水はけも良く、日照条件も優れている。100%全房で発酵開始。野生酵母のみ。発酵途中で古バリックに移し替え、ゆっくり発酵を続ける。1度移し替えを行い、13ヶ月間、古バリックで熟成後、瓶詰め。ヴォーヌ・ロマネらしいおおらかで大きな酒質。
ラ・レビュー・ド・ヴァン・フランスの記者として働いていた「オロンス・デ・ベレール」。ワイン造りを夢見てボーヌ醸造学校に通い始めてしまう。『醸造学とワイナリー経営のディプロマを取得し、2004年にヴォーヌ・ロマネで最も古い建物の1つメゾン・ロマネを購入する』13世紀から残る歴史的な醸造所跡であるメゾン・ロマネでワイン造りを開始。※現在はニュイ・サン・ジョルジュの街中に移転している。『ドメーヌ・ゴビー、コント・アルマンで働きながらワイン醸造を学んだ。完璧なワインではなく、個性を感じられるワインが理想』ビオディナミがワインにどう影響するのか。それと、醸造学校では経験できない古典的な醸造を学ぶ為にゴビーとコント・アルマンでの経験は必須だった。 その後、馬師であるモルヴァン氏の下で学び、愛車のハーレー・ダヴィッドソンを売った金でプロスペールとクアルトの2頭の馬を購入。『最も興味のあったビオディナミでの畑作りにおいて重要な馬での耕作を有名生産者から請負いながら畑の勉強をしていた』コント・ラフォン、クロ・デ・ランブレイ、ティボー・リジェ・ベレール等の優良生産者が顧客。最盛期は20以上の生産者の畑を耕作していた。
『その頃の顧客や知り合いから、現在葡萄を購入してワイン造りをしている。普通は手に入らない高品質な葡萄が手に入る』ワイン造りに集中する為、馬での耕作を請け負う会社を売却。現在はニュイ・サン・ジョルジュの市役所の隣でワイン造りを行っている。『ヴォーヌ・ロマネの丘にある馬の放牧地でコルシカ豚の放牧を開始。自然の餌で放牧した豚で手作りのジャンボン作りも開始』初ヴィンテージは2005年。徐々に生産量を増やし、馬はシャンドン・デ・ブリアイユに譲り、今ではワインとジャンボン造りに専念している。『葡萄は基本的にビオディナミのもの。農薬や除草剤は使われていない。以前馬で耕作していた畑のものが多いので葡萄を理解している』以前は耕作のお返しに葡萄を貰っていた。その関係を今も維持していて、一部は特別な契約で毎年同じ区画の葡萄を購入できている。 毎年同じ区画の葡萄を醸造できることが重要。これによって葡萄の個性や野性酵母の癖を理解して醸造することが可能になる。
『100%全房を使用して発酵。これは買い葡萄では非常に難しい。同じフィロソフィを持った造り手の葡萄を厳選しなければ不可能』全房発酵と醸造時に酸化防止剤を使用しないことがオロンスのワイン造りの最大の拘りだが、ブレタノミセスや酢酸の危険とは常に隣合わせ。
『葡萄の持つエネルギーを最大化する為に全房であること、醸造中に酸化防止剤を使用しない事は不可欠と考えている』全房での発酵は茎がタンニンまで熟している事。PHが低い事。葡萄の熟度が高く、充分な糖度をもっていて、カビのない葡萄である事が求められる。
『茎のカリウムが酒石酸と結合して、酸度を下げるし、茎の水分が出てアルコール度数は約1度下がる。バクテリアが多く、発酵が遅れれば危険』醸造上のリスクは多いが、オロンスの目指すワインは完璧なワインではなく、偉大な個性をもったワイン。よって全房発酵は必然のよう。『全房発酵はゆっくり進むので抽出が優しく、繊細で立体的な味わいを実現してくれる。造る量は少なく、毎日状態を観察することが大切』少しの揮発酸やブレタノミセスを恐れるのではなく、個性を失ったワインを嫌っていて、醸造はあくまでも自然に行う。『ストレスがかかるのでワインの移動にポンプは使わず重力を利用。月のカレンダーに従って最適の状態でワインを育てていく』