Danbury Ridge Pinot Noir / Danbury Ridge Wine Estate (赤) 750ML
「イングランド最高のスティルワイン」とも評される造り手。ダンブリー・リッジのコンサタントであり、徹底的な畑の土壌調査を行ったジョン・アトキンソンMW (マスター・オブ・ワイン)は「この土地はイングランドのペトリュスと呼べるような、この国で最も優れた土地である可能性がある」と語るほど、高いポテンシャルを秘めた場所となっています。
熟した赤果実の華やかなアロマ。フレッシュな野イチゴやラズベリーを想わせる果実味にハーブのニュアンスも感じられ、爽やかな酸と滑らかなタンニンを備えたエレガントな味わい。
醗酵:コンクリートタンク、オーク樽、オーク樽にてマロラクティック醗酵。
熟成:オーク樽熟成15カ月(新樽比率33%、228L、フレンチオーク)、その後ステンレスタンク6カ月。
イングランド南東部、ロンドンから車で1.5 時間ほどに位置するエセックス州クラウチ・ヴァレー ダンブリー村に2012年に設立されたワイナリー。年間日照時間は1,850時間と仏ディジョンに匹敵する長さで、年間降雨量たった450mmほどの、イングランドで最も温暖で乾燥した場所にあります。白亜質土壌から生まれるスパークリングワインで名を馳せるイギリスですが、クラウチ・ヴァレ-にはシャトー・ペトリュスに顕著で、ラトゥール、シュヴァル・ブラン、ディケムなど、ボルドー銘醸シャトーの畑にも見られる、収縮膨潤性のあるスメクタイトを豊富に含む青粘土土壌が点在し、その恵まれた気候と希少な土壌から、スティルワインに適した非常に熟度の高いブドウを収穫することができます。ダンブリー・リッジのコンサタントであり、徹底的な畑の土壌調査を行ったジョン・アトキンソンMW (マスター・オブ・ワイン)は「この土地はイングランドのペトリュスと呼べるような、この国で最も優れた土地である可能性がある」と語るほど、高いポテンシャルを秘めた場所となっています。
ワイナリーのオーナーはエセックス州サウスエンド=オン=シー出身で金融業界で成功を収めたヘザー&マイク・バンカー夫妻。もともと夫妻にはワイナリーを造る計画はなく、1988年に娘のソフィーとジャニーンに資産を残すつもりで、出身地に近いダンブリー村に家と土地を購入したことから全てが始まりました。購入後、夫妻は土地を農家に貸し、そこで収穫される150種類以上の果物や野菜を使って自給自足の生活を楽しんでいましたが、その農家は常々「この土地は暑く乾燥しすぎていて穀物の耕作には不向きだ」と不平を漏らしていました。2012年のある日、家族の友人で娘がワイナリーに勤める人物が犬の散歩のついでに訪れ、畑を歩き回った後に「ここでブドウを植えることを考えたことは?」と尋ねたことで、夫妻はブドウ栽培を真剣に検討するようになりました。農家の指摘から、この土地には温暖なミクロクリマが存在していることに気付いてはいましたが、2013年にブドウ栽培家ダンカン・マクニール氏に依頼し、1年かけて土地と気候の綿密な調査を行ったところ、この土地がブドウ栽培に適した条件をすべて満たしていることが証明されたのです。
2014年、夫妻は初めて「オクタゴン・ブロック」と呼ばれる5ヘクタールの区画にシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、バッカスの4種類のブドウを植えました(その後、バッカスは引き抜かれ、現在はディジョン・クローンのピノ・ノワールが植えられています)。選ばれたクローンは、緩やかな房と酸を保持するものでしたが、その中には偶然にもスティルワイン用のクローンが含まれており、これが後にシャルドネとピノ・ノワールのスティルワイン生産の可能性を発見するきっかけとなりました。
当初、夫妻には自らワインを造る予定はなく、収穫されたブドウは他のワイナリーに販売されていました。しかし2016年、ロゼワインを造るために彼らのピノ・ノワールを購入した醸造家リアム・イジコフスキー氏がその品質に驚き、当初の計画を変更してスティルの赤ワインを造りました。完成したワインを飲んだバンカー夫妻は、その味わいの素晴らしさに感銘を受け、自らの土地の可能性を強く感じ、ついに自らワインをリリースすることを決意しました。夫妻は土地の素晴らしさに気付かせてくれたリアムをワインメーカーとして迎え、ワイナリーを設立。ファースト・ヴィンテージの2018年は他社の醸造設備で造られましたが、2019年にはリアムの指揮の下、高品質ワインの生産を念頭に置いて設計された新しいワイナリー設備が完成しました。こうして偶然の積み重ねから誕生した「ダンブリー・リッジ」は、イギリスでは誰も成し得なかった高品質なスティルワインを生み出す野心的なワイナリーとなりました。瞬く間に数々のワイン評論家から高く評価されるようになり、短期間でイギリスのスティルワインのトップ生産者としての地位を確立しました。
イギリス南東部に位置するエセックス州は、イギリスで最も乾燥しており、最も日照量が多い地域であることが広く知られており、これは科学的なデータでも証明されています。ワイナリーのあるクラウチ・ヴァレーはエセックス州の中でも特に気候に恵まれており、現在ワイナリーの経営に関わるバンカー夫妻の娘ジャニーン・バンカー氏は「私たちが育った頃、冬になると少し離れたところでは雪が降りましたが、ここはいつも暖かく乾燥していました」と語ります。年間日照時間は1,850時間で、これはアルザスのコルマールやブルゴーニュのディジョンに匹敵する長さです。イギリスの他の都市と比べると、ロンドンの1,650時間やケンブリッジの1,500時間よりも日照時間が長いことが分かります。
年間降雨量は450mmと非常に少なく半乾燥地帯とさえ言える気候で、年間降水量2,000mmに達する地域もあるイギリスでは非常に珍しいことです。成熟期の9月には25度前後の気温を保ち、他の地域で70-80mmの雨が降ったとしても、ここでは雨を避けしっかりと糖度の上がったブドウを得ることが出来ます。ボトリティスの発生を心配する必要もありません。また、この地域にはクラウチ川と呼ばれる大きな川があり、ボルドーでジロンド川がメドックの気温を調整するのと同じように、この川が対流を制限し、地域に安定した気候をもたらします。霜が降りないことも、冷涼な北の産地では非常に大きな利点となっています。
ジョン・アトキンソンMWは、現在のクラウチ・ヴァレーの気候が1980年代から1990年代のブルゴーニュと非常に似ていると語っています。ワイナリー設立当初、ピノ・ノワールは5年のうち2年しか完熟しないだろうと考えられていましたが、この温暖で乾燥した気候と恵まれた土壌の組み合わせにより、ダンブリー・リッジでは現在まで毎年完熟したピノ・ノワールを収穫することが出来ています。










