MICRO COSME SAUVIGNON VIOGNIER / CHATEAU DE SAINT COSME(白)750ml
こちらは、自社畑のヴィオニエとラングドック地方で買い付けたソーヴィニヨン・ブランをブレンドして仕立てるキュヴェ。ルイ氏は「長年白ワインを造ってきたが、その経験のおかげでこのワインの特徴を掴み、表現することができた。」と語っています。ソーヴィニヨン・ブランとヴィオニエは異なった文化・異なった環境で育ってきた品種であり、この2種類をブレンドすることはとても珍しいことです。しかし、この2種類のブドウはお互いを補い合うことができる品種のため、ブレンドすることで素晴らしいワインに仕上がることに気付き、この2品種のブレンドに行き着きました。
造られるワインは、ヴィオニエ由来のボディ、豊潤な果実のアロマと、ソーヴィニヨン・ブランの爽やかな風味としっかりとした酸が合わさる、バランスの取れた仕上がり。ワイナリーのスタイルが表現されたエレガントな味わいです。
シャトー・ド・サン・コムの畑は、南フランス・ローヌ地方の中でも南部に位置するジゴンダスにあります。モンミライユ山の裾野と中腹に位置しており、山から吹き下ろされる微風を常に受けることで病害虫から守られ、健全なブドウが結実。さらに、朝日が当たる時間に畑はちょうど山の影となり、周辺に比べて日照時間が2時間ほど短いため、ブドウは適度な酸を保ちながらじっくりと熟し、ワインにはエレガントな風味が生まれます。
外観は、レモンイエローの色調。グレープフルーツやアプリコット、ライチ、マンゴーのような果実のアロマと、アニスや草木のニュアンスも重なる、華やかな香りが溢れ出します。程よくボディがあり、凝縮した果実味としっかりとした酸がバランスよく調和。豊潤ながらも爽やかな仕上がりです。
ルイ氏は「ピノ・ノワールとグルナッシュは、アルファベットの最初の文字α(アルファ)と、最後の文字Ω(オメガ)のように、相反する二つの要素が一線で繋がっているように感じられる。フィネスと力強さ、女性らしさと男性らしさ、柔らかさとたくましさ、角と丸み。このワインには、これらのすべての要素を楽しむことができる。」と語っています。
ミクロ・コムという名称は、サン・コムが造る、サン・コムの特徴を備えた小さなワインという想いで命名。また「MICRO COSME」というのは、フランス語で「小さな世界」という意味もあり、サン・コムが作り出した小さな世界という意味合いも込められています。
醸造は、シェリー酒を造る時と同様の方法を用いて、コンクリートタンクにて発酵と熟成を行います。タンク内には複数ヴィンテージのワインが入っており、瓶詰め時は、タンク内で寝かせたワインの50%を使用。その後、タンクに新しいヴィンテージのワインが継ぎ足されることで、ワインに複雑味が加わります。こうして造られるワインは、ジューシーな果実味とスパイスの風味が感じられる、エレガントな仕上がり。グルナッシュの豊潤な果実味とピノ・ノワールの繊細な酸が織り成す、バランスの取れた味わいです。
シャトー・ド・サン・コムは、ジゴンダスのワイナリーであり、トップ生産者のひとつです。ワイナリーの名前の由来は、ジゴンダスにある12世紀に建てられた「サンコムチャペル」。古代ギリシャの医者であったサンコムとダミアン、及び初期のキリスト教徒たちに捧げて作られた歴史あるチャペルです。 ローヌでいち早くオーガニック農法を取り入れるなど、ジゴンダスをリードする存在でしたが、1992年MBAを目指していたルイ・バリュオール氏が14代目を継いで以降、彼の造り出すワインは各評価誌で高得点を連発。ワイン・スペクテーターの2013年11月号で「ジゴンダスの天才」と称賛され、その名は世界的に知られるようになりました。 サン・コムの畑のブドウ樹の平均樹齢は約60年。その土壌は1,100年前の粘土と石灰岩が表出している非常にユニークな土壌であり、ローヌ地方では唯一のもの。他には、イタリアのバローロやバルバレスコが造られるピエモンテでのみ見られる大変貴重な土壌です。水はけがよく、急斜という独特の地形がブドウ造りに最適で、高品質のブドウが収穫されています。 ルイ氏は、ブドウが植えられている区画や収量を厳密にコントロール。それまで行われていなかった全房発酵や、ブルゴーニュで学んだピジャージュの多用を採用することで、他のジゴンダスと比べて、より芳香に富み、凝縮感がありつつもエレガントな味わいを生み出すことに成功。シャトー・ド・サン・コムを、世界的なジゴンダスのスーパースターに押し上げました。