Duc des Nauves / Chateau le Puy (赤) 750ml
メルローの果実味とカベルネのタンニンがうまく絡み合い、バランスの良い味わいを醸し出しています。よくタンニンが抽出されている印象ですが、セカンドにありがちな青っぽい感じがせず、自然な旨味が豊かに感じられ美味しく仕上がっています。
400年続くボルドーのビオディナミ・シャトー。畑を買い足し、土壌改善に取り組み、新 しい畑の若い樹から「デュック・デ・ナーヴ」というセカ ンドワインを始めました。年々、彼等のワインらしい繊細さが増していて完成度を高めてきています。生態系が保たれた畑で独自のビオディナミ農法を続けます。70%メルロー、20%カベルネ・フラン、10%カベルネ・ソーヴィニヨン。シャトー・ル・ピュイの樹齢の若い葡萄を使用。ビオディミ。区画毎に分けて小容量のコンクリートタンクにて発酵、熟成。ピシャージュもルモンタージュも一切行わないで果帽をネットでワイン中に沈めて過度の抽出を抑えている。これが他のボルドーとは全く違う点。
『生物多様性が重要。森を残し生態系を整えるよう にしている。有機栽培を持続させる為に』。 現在「シャトー・ル・ピュイ」の敷地は 60ha。その内、 葡萄を植えているのは 38ha のみ。残る敷地には森 や沼をそのまま残していて、広大な土地で馬や牛が 草を食んでいる。 『葡萄畑の周囲の生態系を保てば蜂が受粉を手伝 い、そこに住む動植物やミミズが土壌を活性化する。 葡萄は自然と共存する』。 葡萄樹が蜘蛛に襲われることもある。しばらくすれば 蜘蛛の天敵の昆虫がやってきて退治してくれる。 この時、蜘蛛を化学で排除すれば蜘蛛が食べるアブ ラムシに葡萄樹は害を受ける。自然が解決すること に人間が手を出してはいけない。 『400 年間無農薬だからこそ自然の中で生態系の バランスが取れている』。醸造所の隣にわずかに畝の形が残る場所がある。数 年前まで「エミリアン」の葡萄樹があった場所。 『葡萄を植えた事で全体の生態系バランスが崩れて きた事に気付き、去年葡萄樹を引き抜いた』。 「フラッグ・シップ」の葡萄樹を引き抜いてしまう程生 態系を重視している。 『テロワールのを味わいに表現できるのは、土中にい る微生物の唾液のお陰だ』。 「シャトー・ル・ピュイ」の畑には 1 立方メートル当たり 2 億5,000万匹の微生物が住んでいる。目には見えな いが、まとめると約 150 グラム。 微生物は葡萄の根に張り付き、樹液の中の糖分を 吸い上げる。その後、彼らが吐き出す酸性の唾液が 土中のカルシウムを溶かす事で土中にミネラルが豊 かに含まれる様になる。 『ミネラルこそが土地の個性。昔はラトゥールもラフィ ットにもミネラルがあった。土が生きていた。今のボ ルドーに鉄やマグネシウムを感じることはない』。現当主「アモロー」氏によると土中のミネラルを葡萄 樹が吸い上げる事こそがテロワールを葡萄に蓄える 事になるのだと言う。 『土中の微生物が欠かせない。一度でも除草剤や 化学薬品を使えば微生物は激減してしまう』。必然的 にテロワールを表したワインは造れなくなると考えてい る。 「シャトー・ル・ピュ イ」ではワインに余計な樽の要素を残さない為、全て 3 年から 15 年の古樽を使用。 醸造過程において補糖、人口酵母の添加、濾過・清 澄は一切行わない。 1994 年からは息子の「パスカル」と共にSO2無添加 のキュヴェ「バルテルミ」と「マリー・セシル」を造ってい る。 『他のキュヴェでは気化させたSO2を通常の造り手 の 1/10 程度だけ使用している』。 「バルテルミ」は最初に酸化防止剤の使用を自問し た 9 代目の名にちなんでいる赤ワイン。 「マリー・セシル」はセミヨン 100%。収穫後、古樽で 発酵及び熟成を行い「バルテルミ」と同じく SO2 を一 切使わずに仕上げている。どのキュヴェも瓶詰は月 の動きに注意し、満月から徐々に欠けていく間に行 われる。 『現在、シャトー・ル・ピュイの畑を独立したAOCとし て認可を受けるべく活動している。もし、認可された 場合にはボルドーで唯一のモノポールとなる』。