Drappier / Clarevallis (白・発泡)750ml
5つのピノ・ノワール・クローンを栽培するピノ・ノワールのスペシャリスト。ピノ・ノワールならではの濃密で旨味のある味わい。柔らかで優しい発泡が心地よく、若い桃のフレッシュさ。とにかく柔らかく繊細。品種:ピノ・ノワール 75%, ピノ・ムニエ 10%, シャルドネ 10%, ブラン・ヴレイ 5%。
クラレヴァリはコート・デ・バールにピノ・ノワールを伝えたと言われる修道士サン・ベルナールが 1115年に建てた協会の名前から名付けられました。コート・デ・バールの象徴の名前です。葡萄は全てウルヴィルの自社畑(馬で耕作)、しかも急斜面の畑のものが使われます。シトー派の時代に作られた畑です。葡萄品種は 5 種類のクローンのピノ・ノワール。キンメリジャン土壌でミネラル豊富に育つムニエ。バールの成熟したシャルドネ。そして、本当の白と呼ばれる古代品種ブラン・ヴレイ(ピノ・ブラン)を使用します。土壌はジュラ紀後期、1 億 5700 年?1 億 5200 年のキンメリジャン土壌で粘土の中にキンメリッジ石灰岩が混じります。エグゾジラ・ヴィルギュラと呼ばれる小さな牡蠣の一種の化石が多く含まれます。この土壌は葡萄を完熟さえると同時にヨード的旨味、ミネラル感を与えてくれます。醸造は 1152 年に修道院達によって作られた歴史あるセラー(ドン・ペリニヨンより古い時代)で行われます。収穫は全て手作業で行われ、ドライアイスで酸化から守りながら空気圧プレスに投入。ここでも窒素を充満させ、酸化防止剤なしで酸化から守ります。コカールを使用しないのは、できるかぎり優しく過度な抽出を避け、繊細さを得る為。ファーストプレスのみをポンプを使わずに重力で発酵槽へ移動。この間の管の内部も窒素で満たします。ウルヴィルの野生酵母のみで自然発酵。マロラクティックも自然に任せます。醗酵終了後、3 ヶ月間熟成させてからティラージュ(ノン・フィルター)。瓶内 2 時醗酵。熟成後、デゴルジュマン時に 4g/L のドサージュ。15 年熟成させたピノ・ノワールのリキュールを使用。総 SO2 量は 20g/L。
『1808年、フランソワ・ドラピエがウルヴィルで葡萄栽培を開始。1930年にはピノ・ノワールを植樹し、一気に名声を高め、ピノ・ノワールの父と称されるようになった』 これが転換点でした。シャンパーニュの田舎とされてきたコート・デ・バールに最適なピノ・ノワールで高品質の葡萄を栽培。今までにないシャンパーニュを産み出します。 『今では70%以上ピノ・ノワールが占めています。5種類の異なるクローンを植樹。標高、日照量、土壌、樹齢の異なる畑に植樹し、色々な個性のピノ・ノワールを所有』 1952年、当時は白いラベルが当たり前だった時代に鮮烈な黄色いラベルのカルト・ドールを発売。この頃はガメイとピノ・ノワールでシャンパーニュを造っていました。 『家族経営を続けていて現当主はミッシェル・ドラピエ。通常、当主は社長業を行いますが、1979年から醸造責任者を兼務。だからこそ品質優先でいられる』 自社畑62ha、長期賃貸契約畑50haという大きなメゾンですが、ミッシェルは毎日畑に出て栽培チームの指揮をとっています。アッサンブラージュも全てミッシェルが最終決定。 『2016年から息子達が加入。長男ヒューゴは醸造。次男アントワンヌは馬での耕作と自然農法を推進し、娘シャルリーヌはデザインや営業を担当』 全ての所有畑では自然農法が実践され、馬での耕作も導入されています。土壌を押し固めないだけでなく、葡萄樹の近い位置で働く事で、より葡萄の状態を感じる事ができます。 『除草剤、殺虫剤、ホルモン剤も一切使用しません。畑の周囲には森を残し、生物多様性を維持。コンポストも牛糞と圧搾後の搾りかす枝等を3年醗酵させたものを使用』 土壌を押し固めない小型の耕運機はCO2排出のない電動式が導入され、醸造所の屋根には2,000㎡のソーラーパネル。ボトルは15%軽量化され、運搬時のCO2を削減。 『2016年、シャンパーニュで初めてカーボン・ニュートラルなメゾンとして認定されました。栽培から醸造、運搬、全ての工程で二酸化炭素排出減を実現してきました』 更にドラピエは古代品種の最大所有者としても知られています。アルバンヌ、プティ・メリエ、ブラン・ヴァリ、フルマントウを標高の高い区画(3.5ha)に植樹。今に残しています。 『古代品種はシャンパーニュにとって2000年前からの遺伝学的な遺産と言えます。造り手として、栽培家としてこれらの品種を守っていく事は大きな意味があるのです』
通常の造り手は炭を使って色素を取り除きますが、ドラピエでは香成分も除去してしまうと考え、行いません。結果、少しピノ・ノワールの色が出てピンクがかってしまいます。 『出来る限り人間の介入を減らします。フィルターなし。炭による色素除去もなし。あらゆる添加物を排除します。酵母は自社畑で採取したものを培養して使います』 酸化防止剤にアレルギーがあるミッシェルはこれも出来る限り減らしています。その為に伝統的コカールでの圧搾をやめ、空気圧の優しいプレス機を導入。 『コカールは酸素と触れ合いながら圧搾するが、空気圧プレスは窒素で満たされた中で圧搾するので酸化の心配はない。ワインの移動はポンプを使わず、全て重力で移動』 ポンプでモストやワインを移動すると圧力がかかり、ワインはストレスを受けてしまう。同時にポンプ内の微量の酸素を吸着してしまい、微量の酸化を引き起こすのです。 『2階に空気圧プレス。1階に発酵槽。地下1階は熟成庫。地下2階がアッサンブラージュとボトリング。1度もポンプを使わずにワインは瓶内2次醗酵に移ります』 醸造過程でのSO2使用はなし。輸送しても安定した状態で飲めるよう、瓶詰め時のみ極少量添加します。全てのシャンパーニュは自然生成された亜硫酸も含めて30mg/L以下。 『酸化防止剤を好ましく思っていません。極々少量しか使いません。お陰で元々の色調である黄金色、透明感のあるアロマを失っていません。とても自然な状態なのです』 そして、2007年には1980年から試行錯誤を繰り返してきた完全酸化防止剤無添加シャンパーニュ「ブリュット・ナチュール・サンスフル」も完成させました。 『サンスフルは究極のピュアさを求める人の為に造りました。リキュールも酸化防止剤も何の添加物も入っていません。葡萄そのものを感じる事が出来るはず』 ❖ブリュット・ナチュール 実はシャンパーニュで最も標高が高い位置にあるウルヴィル。日照量が多く、昼夜の寒暖差が大きいのでピノ・ノワールは、ゆっくり成熟し骨格が出てきます。 『ジュラ紀のキンメリジャン土壌でもシャブリ・グランクリュと同じ年代の土壌でピノ・ノワールにエッジの効いた酸とミネラルを与えてくれます。ウルヴィルならではの個性』