Follaco / Bodega Frontio (赤) 750ml
ポルトガルとの国境付近、アリベスで自然なワイン造りを始めたデンマーク人。ブルゴーニュ以上に繊細で軽やかな味わいはスペインワインの概念を覆します。
葡萄品種:ホワンガシア主体にテンプラニーニョをブレンドして造る、若い樹ならではのフレッシュさが魅力の赤ワイン。口当たりは滑らかで次第にジューシーな果実味が広がります。
小石、砂質、クォーツが混ざる花崗岩質土壌。樹齢20~100年でゴブレ仕立て。8月下旬~9月初旬にかけて手摘みで収穫し畑で選果。全房100%で10~12日間の発酵、マセラシオン。プレスし、225Lフレンチオーク古樽でマロラクティック発酵、その後10ケ月間そのまま熟成。ボトリングの1ヶ月前に1度澱引きをし、ステンレスタンクでブレンド。その際に極微量のSO2を添加。軽くフィルタリングしボトリング。生産本数:2000本。
ポルトガルとの国境に流れるドウロ川を見下ろす広大な高地にあるDOアリベス。かつては1,300ha以上の葡萄畑がありましたが、現在では半分以下まで縮小したマイナー産地。
『1988年に申請されてから20年以上かけて、ようやく2007年にアリベスとしてDOを与えられた。47の村からなる産地だが、耕作放棄が進んでいる』
降雨量が年間700mmと比較的多いので、極度の乾燥からは守られ、ドウロ川の影響で夏は暑すぎず、冬は寒過ぎないので繊細なワインを造る事ができます。
『土壌は花崗岩、シストの混合土壌にドウロ川由来の砂と小石が混じり、場所によっては砂岩とクォーツが強く出ている。ミネラル豊富だが有機物が極端に少ない』
有機物が少なく、酸性に傾いた土壌では、ある一部の植物しか育たない厳しい環境。葡萄樹は酸性に耐性があり、痩せた土壌でも地中深くまで根を伸ばし生き抜いています。
『有機物が少ないので葡萄樹は栄養分を地中深くまで探しに根を伸ばしますが、密植すると若い内に互いに栄養を奪い合い死滅してしまう。株仕立で樹間を広くとる事が重要』
花崗岩は一部変質し粘土に変化。この粘土質とシストは保水力があるので暑い夏でも葡萄樹は生き延びる事ができます。アリベスの厳しさは乾燥や暑さより土地の貧しさなのです。
『中世から葡萄栽培が行われてきた歴史的産地ですが、その土地の貧しさから生産性が悪く、徐々に葡萄畑は耕作放棄され、ワイン造りは廃れていく』
協同組合は閉鎖され、組合に葡萄を売っていた農家の高齢化もあり、素晴らしいポテンシャルの葡萄畑は捨てられ、一時は500ha以下まで減ってしまいます。
『DOアリベスは大手1社のみが世界的に認知されているだけで、アリベス産のワインをスペインの他の都市で飲む事もできない程に廃れていた。失われた産地だった』
標高1,000mも珍しくないカスティーリャ・イ・レオン州の西端、ドウロ川を見下ろす標高650mのテロワールは重厚でない、繊細なワインを産む希少な産地だったのです。