Dão - Branco / António Madeira (白) 750ml
品種:エンクルザード、ビカル主体、その他18種類ほどの土着品種で造られる白。
ブドウは早朝に収穫し、除梗してから圧搾、果皮と果汁は3~4時間炭酸ガスで酸化を防ぎながら圧搾タンクの中でマセレーション。圧搾された果汁をステンレスタンクに移し24時間静置。その後ステンレスタンク(70%)と古樽(30%)に移して発酵後、14ヵ月間熟成。
除草剤を使わない小規模農家から購入したブドウで醸造。2022年は非常に乾燥した年で、発酵が難しく、発酵を終わらせるために果皮浸漬を行い、酵母の養分となる窒素を果皮から抽出した。淡い黄色の色調、透明感があり、ハーブやスパイス、穀物を思わせる表情豊かな香り。塩味を損なわないために、ろ過や清澄は一切行っていません。
ポルトガルのダォンからフランス・パリに移り住んだ両親のもとに1978年に生まれたアントニオ。両親の出身地ダォンが、かつてポルトガルを代表するワイン産地であった事を知り、自分に出来ることはないかと、祖父母の村とその周辺の土地を研究し始めるうちに、ダォンの花崗岩質の土壌、高地、樹齢の高さという特徴を生かせば、極めてエレガントで上品なワインを造ることができるはずだと考えるようになった。2010年に3年間剪定されず放置され荒れ放題となっていた樹齢約50年のブドウ樹が育つ約1haの畑に出会い、ワイン造りを始める。当初はパリに住み、アントニオの義父が収穫期以外のブドウ畑とセラーの管理を手伝ってくれていたが、2017年7月にはパリの家を売り払い、妻子とともにダォンに移住。ワイン造りに全力を注いでいる。畑ではビオディナミ農法を採用し、馬で耕作。樹齢は50~120年を超えるものもある。現在6つの村23区画、計6haのブドウ畑を自身で所有し、他に2haを借りている。ほとんどは標高500~600mのエストレーラ山脈の裾野に位置し、栽培する土着品種は45種類以上。亜硫酸は必要な場合のみごく微量、醸造の終わり近くに添加し、無濾過無清澄で瓶詰め。それ以外の介入はしない。 培養酵母など化学物質は一切使わない自然な醸造。
アントニオはパリ生まれのパリ育ち。大手企業でエンジニアとして働いていた時ワインにのめり込み、休暇のたびに訪れていた、両親の故郷ダォンの伝統とポテンシャルを再認識。2010年、耕作放棄されて荒れ放題となっていた樹齢約50年のブドウ樹が育つ畑に出会い、醸造家となることを決意。2017年にパリの家を売り払い、妻子とともにダォンに移り住んだ。バイオダイナミック農法を採用し、現在は6つの村に広がる8haの畑で、50種以上の土着品種を栽培している。2018年から新しい醸造施設に移転。極力介入しない醸造方法で醸造。エストレーラ山脈の自然が脳裏に蘇るようなワインを目
指しています。
ポルトガルについて
ポルトガルは大西洋、山脈や河川により地理的に隣国スペインから隔てられ、1986年にEUに加盟するまでは政治的にも孤立していた。そのため長い間イギリス向きに出荷されてきた、ポートワインやマデイラ酒を除くと、ポルトガルワインへの関心は市場でも高いとは言えなかった。しかしそれゆえ隠れたブドウ栽培地域や地品種の古樹が数多く残り、それらの要素への関心が世界的に高まる中で、2010年代頃からダイナミックな変化が起こっている。ポルトガルが広くない国土にもかかわらず、多様な地形と土壌、ワイン文化を持つことは、ポートワインとヴィーニョ・ヴェルデという性質が相反するまったく別種のワインが、しかも隣接する地域から生産されることからも、良くわかる。それらの下地と、海外などで経験を積んだ若い造り手たちの熱意が、現在のポルトガルワインの原動力となっていると言えるだろう。とかく情報過多に陥りがちな現在、ポルトガルには魚介類を使った素朴な料理が多く、その料理と合わせて飲まれてきたポルトガルワインは、一般に気取った味わいを感じさせないので、難しく考えずに飲んでいただきたい。