Costieres de Nimes Rouge “Le Pluriel” / Clos des Boutes (赤) 750ml
1963年に植えられた樹齢55年以上のカリニャンと1995年に植樹したシラーのアッサンブラージュ。この価格ながら収量は35hl/ha。標高80mの平野部の畑。全てゴブレ仕立て。収穫後、除梗して房は潰さずにエナメルタンクに投入。SO2無添加で温度管理無しで発酵。3~4のタンクをアッサンブラージュしてバランスをとる。5~10日間マセラシオン。プレス後、セカンドプレスも合わせて6ヶ月間エナメルタンクで熟成。ノン・フィルターでボトリング。品種:カリニャン、シラー、グルナッシュ。
カシス、ブルーベリーのアロマ、ほどよい酸味、タンニンも豊か、 割と濃厚な感じだが、軽やかに仕上がります。冷やし気味で美味しいかも。
1986年に作られた新しいAOC、コスティエール・ド・ニーム。紀元前からワイン造りが行われてきた歴史ある産地だけにポテンシャルは高く、他にはない個性を持っています。
『紀元前から葡萄栽培が行われていた記録が残る最古の産地である。古代から日照量が多く、雨が少なく1年中風が吹いているので葡萄の楽園のような土地』
海に近く、標高は僅か10~150mで地中海性気候。冷たい北風のミストラルと南の海からの潮を含むマランが吹くので、常に風が通り、湿気がないので病気がほぼない。
『ラングドック・ルーションの中でもローヌに近く、土壌、気候条件もローヌと似ている。ワインの性質的にもローヌに近く、垂直性があり、重心が高い』
今、注目の産地。ラングドックの東端、ローヌに程近いコスティエール・ド・ニームで、古樹のカリニャンに拘り、ワイン造りを始めた注目の造り手がクロ・デ・ブートです。
当主はシルヴァン・ブート。ベルギー国境付近の村の出身で両親はワイン関係の仕事をしており、お爺さんは酪農家だったので、小さい頃から農業と関ってきました。 『自然と農業に興味を持ち、農学を学んだ後、醸造学を学び、モレ・サン・ドニ、サンテミリオンで経験を積んだ後、ニームの大手生産者で5年間働き、この地の特性を学びます』 2002年、遂にニームの町の南、ベルガルドに10haの1枚畑を購入。管理状態は最高ではなかったが、高樹齢のカリニャンに一目惚れしてしまいまったのです。 『畑の南にあるカマルグ自然公園からの海風、マランの影響を受けるので夜間の気温は劇的に下がる。この寒暖差がカリニャンにテンションを与え、フィネスを作る』 十分な日照と雨の少なさ。そして、石を多く含む粘土でシャトーヌッフ・デュ・パプと同じ土壌を持っているのがニーム。カリニャンにとって、まさに理想なのです。 『土壌は鮮新世の青い泥灰岩が主体で表土は石英を含む砂岩でローヌ川に由来する。乾燥が酷くても泥灰岩が保水し、ワインはみずみずしさを失わない』 ニームではINAOの指導でグルナッシュやシラーが増やされましたが、近年ではカリニャンこそが最適という風潮に変わってきました。まさにシルヴァンが考えていた通りになったのです。