Batar / Querciabella (白)750ml
ミネラリーで酸のしっかりしたシャルドネと、トロピカルで酸が低くボディの豊かなピノ・ビアンコを半分ずつブレンドしたワインがバタールです。試作品を飲んだオーナーが付けた名前は、なぜか馬鹿野郎を意味するBatard。実は最初のヴィンテージである1988年と翌年は、ピノ・ビアンコ95%とピノ・グリージョ5%という品種構成だったため、正式名はBatard-Pinotだった。ところが格付けはVdTであり、VdTはぶどう品種名を表す言葉をワイン名としてはいけないため、Batardに。すると今度はフランスから「バタール・モンラッシェと紛らわしい」と横槍が入って、3年前からBatarになったという経歴があります。ステンレス発酵では果実とオークが調和しないとしてバリックで発酵。マロラクティックを行い、酸化を防ぐためシュール・リー。自然酵母は酸が強くなりすぎ、発酵にばらつきが出るので、培養酵母を使います。新樽比率は80%、ボディのしっかりした芳醇な仕上がりです。
カベルネ・フランやメルローを含み、バリックで熟成させたモダンな味わいのキャンティで日本でもすっかりおなじみの造り手。95年のキャンティ・クラシコはその価格が考えられない程の高品質であったが、ここでは有名なスーパータスカン、赤のカマルティーナと白のバタールが造られます。前者はサンジョベーゼとカベルネ・ソーヴィニヨン、後者はピノ・ビアンコとシャルドネだが、どちらも垢抜けた、都会的に清潔で知的な印象のあるワインです。
メキシコにおける鉄鋼・ステンレスの製造で財をなした、ジュセッペ・カステリオーネさんの趣味として1972年にたった2ヘクタールの畑で始められたワイナリー。最初から最先端の醸造設備に投資し、またグイトさんをはじめとする才能溢れるスタッフを揃えたことで、すぐに評価を獲得。80年代には事業として本格化、89年にはワイナリーを拡張、今もさらなる拡張計画を控えているといいます。
全てのワインは自社畑の葡萄からできるため、畑にはサンジョベーゼ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ブランと、多岐にわたる葡萄が植えられます。となればそれぞれの品種に適した多様なテロワールがあるのかと思ったら、「標高の高いところはサンジョベーゼが熟さないので白ワインを植えてますが、土壌はどこも同じガレストロで、どの場所にどの品種ということは考えていないんですよ」とのこと。フランス品種を考えた理由は、グイドさんによれば、やはり「ティニャネッロやサッシカイアの成功に触発された」からだが、栽培の容易さもあるという。土地の影響を比較的受けにくく、サンジョベーゼ程の日照や暑い夏を必要とせず、より収穫時期が早いため、秋の雨の影響を免れることができるそうです。仮に収穫時に雨が降ったとしても、サンジョベーゼはすぐに水を吸ってしまうのに対し、フランス品種は果皮が丈夫で、ある程度は平気なのだと言う。