Toscana Ansonaco Altura / Francesco Carfagna (白)750ml
トスカーナの伝統品種「アンソナカ」で造る自然派オレンジ系。濁りのある濃いめの色調。 オレンジピール、ドライハーブ、キノコの香り。 果皮からの豊かな果実味とタンニンが感じられ、ほどよい酸味が美味 。品種:アンソナカ主体、その他トレッビアーノ、マルヴァジーアなどの白品種
ジリオ島は、トスカーナ南端の海岸から約14km沖合い、総面積わずか23.8㎢キロ(東京・足立区の半分以下の広さ)の小島である。ワイナリーのオーナー、フランチェスコはローマで数学教師や詩人として暮らした後、40歳で島に移住。海沿いの崖に、壊れかけた石積みのテラス状だった耕作放棄畑の手入れを始め、2000年が初ヴィンテージとなった。栽培は例のないほど激務で、フランチェスコでないと務まらないだろう。主に白はアンソナカ(シチリアのインツォリアと同じ品種)、赤はチリエジョーロ、カナイオーロなど18以上の品種の混醸で造られる。白は年にもよるが、約1/3をスキンコンタクト。また、赤は6ヶ月前後の超・長期果皮浸漬を行う。白・赤ともにたぐいなく個性的かつ濃密で、飲み手の感性と抱擁力が試されるという趣きがある。ちなみにこの島は、16世紀ローマの哲学者アンドレア・バッチの地中海ワインに関する著作で「ジリオ島の赤ワインは絶品である」と記述される由緒も誇る。近年ではヴィニタリーのガイドブック「5 star Wines」内に、2016年から始まったナチュラル・ワインの特別枠にも選出されている。 トスカーナ中南部の海岸に沿って広がる広大な地域。サッシカイアで知られるボルゲリもマレンマ北部だが、この地域は温暖で、サンジョヴェーゼよりボルドー品種に好適とされる。一方、マレンマ南部、グロッセート県内陸部の高地に広がるモレッリーノ・ディ・スカンサーノは、2006年にDOCG昇格。85%以上のサンジョヴェーゼ使用を義務づける。かつては沼地ゆえの高湿でマラリアでも知られる地域だったが、近年このエリアには旧ビオンディ・サンティのオーナー、ヤコポ・ビオンディ・サンティなど大資本も続々と進出。洗練され活力あるサンジョヴェーゼ産地としての潜在力に注目が高まっている。また、トスカーナ群島と呼ばれる沿岸部の7つの島では、赤の甘口ワインDOCG、エルバ・アレアティコ・パッシートを生むエルバ島。そのさらに南のジリオ島(人口わずか1400人)などで、ごく一握りの生産者が歴史ある産地の栄誉回復を試み、注目を集め始めている。