Emilien / Chateau le Puy (赤) 750ml
400年続くボルドーのビオディナミ・シャトー。
85%メルロー、14%カベルネ・ソーヴィニヨン、1%カルムネールで造られます。100%除梗。コンクリート槽で4週間マセラシオン。果帽をネットでワイン中に沈めて(ピシャージュもルモンタージュも一切行わない)抽出を抑えている。澱引きせずに大樽で12ヶ月、250Lの古木樽で更に12ヶ月熟成。酸化防止剤は大樽での熟成時に極少量を加えます。
『生物多様性が重要。森を残し生態系を整えるよう にしている。有機栽培を持続させる為に』。 現在「シャトー・ル・ピュイ」の敷地は 60ha。その内、 葡萄を植えているのは 38ha のみ。残る敷地には森 や沼をそのまま残していて、広大な土地で馬や牛が 草を食んでいる。 『葡萄畑の周囲の生態系を保てば蜂が受粉を手伝 い、そこに住む動植物やミミズが土壌を活性化する。 葡萄は自然と共存する』。 葡萄樹が蜘蛛に襲われることもある。しばらくすれば 蜘蛛の天敵の昆虫がやってきて退治してくれる。 この時、蜘蛛を化学で排除すれば蜘蛛が食べるアブ ラムシに葡萄樹は害を受ける。自然が解決すること に人間が手を出してはいけない。 『400 年間無農薬だからこそ自然の中で生態系の バランスが取れている』。醸造所の隣にわずかに畝の形が残る場所がある。数 年前まで「エミリアン」の葡萄樹があった場所。 『葡萄を植えた事で全体の生態系バランスが崩れて きた事に気付き、去年葡萄樹を引き抜いた』。 「フラッグ・シップ」の葡萄樹を引き抜いてしまう程生 態系を重視している。 『テロワールのを味わいに表現できるのは、土中にい る微生物の唾液のお陰だ』。 「シャトー・ル・ピュイ」の畑には 1 立方メートル当たり 2 億5,000万匹の微生物が住んでいる。目には見えな いが、まとめると約 150 グラム。 微生物は葡萄の根に張り付き、樹液の中の糖分を 吸い上げる。その後、彼らが吐き出す酸性の唾液が 土中のカルシウムを溶かす事で土中にミネラルが豊 かに含まれる様になる。 『ミネラルこそが土地の個性。昔はラトゥールもラフィ ットにもミネラルがあった。土が生きていた。今のボ ルドーに鉄やマグネシウムを感じることはない』。現当主「アモロー」氏によると土中のミネラルを葡萄 樹が吸い上げる事こそがテロワールを葡萄に蓄える 事になるのだと言う。 『土中の微生物が欠かせない。一度でも除草剤や 化学薬品を使えば微生物は激減してしまう』。必然的 にテロワールを表したワインは造れなくなると考えてい る。 「シャトー・ル・ピュ イ」ではワインに余計な樽の要素を残さない為、全て 3 年から 15 年の古樽を使用。 醸造過程において補糖、人口酵母の添加、濾過・清 澄は一切行わない。 1994 年からは息子の「パスカル」と共にSO2無添加 のキュヴェ「バルテルミ」と「マリー・セシル」を造ってい る。 『他のキュヴェでは気化させたSO2を通常の造り手 の 1/10 程度だけ使用している』。 「バルテルミ」は最初に酸化防止剤の使用を自問し た 9 代目の名にちなんでいる赤ワイン。 「マリー・セシル」はセミヨン 100%。収穫後、古樽で 発酵及び熟成を行い「バルテルミ」と同じく SO2 を一 切使わずに仕上げている。どのキュヴェも瓶詰は月 の動きに注意し、満月から徐々に欠けていく間に行 われる。 『現在、シャトー・ル・ピュイの畑を独立したAOCとし て認可を受けるべく活動している。もし、認可された 場合にはボルドーで唯一のモノポールとなる』。