Bourgogne Chitry Rouge Les Dames / Domaine Colbois (赤) 750ml
単一区画「レ・ダーム」から造られるシトリー・ルージュ(ピノ・ノワール)。赤い果実やスパイスのアロマが特徴。
このワインは「レ ダーム」と呼ばれる2.02haの南向きの単一区画で葡萄の平均樹齢は25年、栽植密度は6,000本/haです。収穫は機械で行います。発酵は自然(野生)酵母を使用し、温度コントロールされたステンレスタンクで行います。発酵後、228Lのオーク樽に移し約18ヶ月熟成させます。紫を帯びた深い赤、黒い果実やスパイスのアロマに樽のローストの要素が混ざりあっています。口当たりはジューシーで丸みがあり、非常になめらかで溶け込むようなタンニンがあります。余韻にもアロマと同じ黒い果実の要素が漂います。
ドメーヌ コルボワは、ブルゴーニュのヨンヌ県オーセロワ地区に位置する、シトリー ル フォールの家族経営の生産者です。シトリー ル フォールは、シャブリから12kmほど南西に位置し、非常に古くからワイン造りが行われていた歴史的な村です。人口はわずか300人ほどで、葡萄畑の面積は合計で約80haほどしかありません。コルボワ家は4世代にわたり葡萄栽培を行ってきました。バンジャマンの父、ミシェル コルボワは1970年まで両親と共にワイン造りを行っていましたが、2haの畑と共に独立し、1988年に自身のドメーヌを設立します。2001年には、ミシェルの息子であり、現在のオーナーであるバンジャマンがワイン造りに加入しました。バンジャマンは、私たちが訪問した際に「ワイン造りで最も重要なことは何だと思いますか?」と質問した際、次のように答えてくれました。「私たちは、オーガニック栽培なので化学的な対策が出来ません。そのため、まずはワインが造れることが何よりも重要です。もちろんワインの品質はとても大切ですが、気候変動や天候不順などがある中で、まず何よりも葡萄が収穫できること、そしてワインが得られることこそが重要だと考えています」。
ドメーヌ コルボワは現在、シトリー ル フォールとシャブリに合計20haの畑を所有しています。シトリーには13. 3haを所有しており、その内訳はシャルドネが4. 1ha、アリゴテが4. 6ha、ピノ ノワールが4. 6haです。シャブリには6. 7haを所有しており、その内訳はシャブリが5. 6ha、プルミエ クリュが1. 1haとなっています。シトリーの土壌は、このエリアに典型的なキンメリジャンの石灰岩とマール(泥灰土)です。ドメーヌの設立当初は混合農業を実践しており、葡萄栽培の他に穀物やサクランボの栽培、酪農を行っていました。HVEのレベル3を取得しており、高品質の葡萄を得るため、厳しく収量を制限しています。通常、1つの枝に3つの芽が出ますが、芽かきによって真ん中の1つを取り除きます。収穫はすべて機械摘みです。
バンジャマンの祖父ポールの時代はサクランボの栽培がメインだったため、ワインは少ししか生産していませんでした。また、当時はバルクでの販売だけでしたが、1968年からは、このエリアではいち早くドメーヌ元詰めでの販売をスタートさせました。選別酵母を添加せず、野生酵母のみでアルコール発酵を行います。白ワインの発酵と熟成は、主に温度管理されたステンレスタンクで行いますが、「シャブリ ヴィエイユ ヴィーニュ(FC-920)」と「ブルゴーニュ シトリー ブラン アルモニ(FC-923)」では木樽も使用しています。発酵タンクが置かれているセラーの天井には穴が開けられており、上の階でプレスした果汁を、この穴からつないだホースを通して、上から下へと重力を利用して移動させるグラヴィティ―フロー システムを採用しています。これにより、果汁にストレスを与えないようにしています。木樽は228L、500Lのものを主に使用していますが、2022VTは、タランソー社製の12hLの樽を実験的に1樽使用しています。バンジャマンはこの樽について、「樽香がほとんどつかず、とても洗練された味わいで風味の持続性が長く、ワインが持つ特徴を保ったままで熟成出来るというとても良い結果が得られたので、数ヶ月後にもう一つ同じ樽を買い入れる予定です。数年後には、この樽がさらに増えて7~8樽くらいになるでしょう」と話していました。この樽の導入によって、今後の品質向上がさらに期待できます。