Casalferro / Barone Ricasoli (赤)750ml
カザルフェッロ畑。海抜400m。南向き。バルサムの風味やミネラル感、スパイシーさが際立つメルロ。熟した森の果実を思わせる圧倒的な凝縮感がグラスの中で広がりを見せる。若くて快活、リッチではつらつとした力強いワイン。すぐに開けても美味しいが、長期熟成の潜在能力もある。
カザルフェッロはブドウ畑にある建物の名前。
ブローリオがキャンティ・クラシコの第一線に復帰したのは、フランチェスコ・リカーソリの熱意がもたらしたものである。数十年間ここを所有した多国籍企業のあとを受けたフランチェスコが現在、1141年以来その家族に伝わるワイナリーの経営を全面的に引き受けている。<カステッロ・ディ・ブローリオ>は、バローネ・ベッティーノ・リカソリ(統一イタリアの第二首相)が1874年にキャンティ・ワインのいわゆる「フォーミュラ」-品種構成企画-を定めてからというもの、キャンティ・クラシコのシンボルであった。
フランチェスコは、主任ワインメーカーのカルロ・フェッリーニとともに、<ブローリオ>産ワインの品質向上に傾注した。227ヘクタールにおよぶ葡萄畑では、主としてサンジョベーゼの選抜クローンを順次改植中である。1997年のヴィンテージ以来、彼らはこの歴史的ワイナリーのシンボルとして、キャンティ・クラシコ・カステロ・ディ・ブローリオを生産している。けれども、その前から既にこのチームはサンジョベーゼのモデルを、有名な「カサルフェッロ」で築きあげていたのである。
「カサルフェッロ」は、スーパータスカンとしては際立ったお値打ち品である。いまでは数パーセントのメルローを含む「カサルフェッロ」は、濃いルビー色をし、熟した果実とベリー類、モレッロ・チェリー、ヴァニラのブケがある。果実の醍醐味を感じさせる骨格豊かな味わいを、樽から来るスパイシーなタンニンが引き立て、風味はスパイシーで後口長く、時間とともに磨き抜かれた奥行きが生ずること確実である。早くも収穫後3~4年で飲みやすくなるが、10年以上の熟成が味わいに輪をかけるはずである。