NUITS SAINT GEORGES 1ER CRU LES VAUCRAINS / LUCIEN LE MOINE (赤) 750ml
一流ドメーヌが所有する特級、一級畑からワインを造るルシアン・ル・モワンヌ。一級畑レ・ヴォークランは、ニュイ・サンジョルジュ村の南に位置する畑です。この畑の特徴である肉付きの良い果実味と、レースのように滑らかな舌触りのタンニンが魅力の1本です。
2018年のブルゴーニュは生産者の力量が大きく影響した年です。夏は例年より高温な日が続き、収穫期も温暖な気候でした。そのため、収穫のタイミングの判断を失敗してしまうと、よりアルコール度数の高いワインに仕上がってしまいます。醸造においても、ゆっくり抽出をするなど丁寧な造りを要求されます。しかし、確かな醸造家たちの手にかかると、ふくよかなボディや豊かな果実味を持ったワインに仕上がり、高いクオリティを持つこととなりました。
外観は深みのあるルビー。ブラックチェリーやブラックベリーを思わせる活き活きとした果実のアロマと、スミレやシナモンなどのニュアンスが立ち上ります。味わいは豊満な果実味としっかりとした骨格が魅力。きめ細かなタンニンがシルキーな口当たりをもたらします。上品な酸味と共に続く、赤バラを思わせる余韻。熟成ポテンシャルの高いしっかりとしたストラクチャーを持ち、熟成により複雑でエレガントなブーケを生み出すでしょう。
ルシアン・ル・モワンヌは1999年にムニール・サウマ氏と、 その妻であるロテム女史によってボーヌの中心街に設立されたワイナリー。 手掛けるワインはコート・ドール全域にわたり、グラン・エシェゾー、リシュブール、 ロマネ・サン・ヴィヴァン、モンラッシェなど錚々たる畑ばかり。 自らの畑は持たず、一流ドメーヌが所有する特級、1級畑のみで造られたワインを樽で購入し、 熟成、瓶詰めを行うといういわゆるネゴシアンスタイルでワインを生み出しています。 畑の所有者の名は一切公表されていませんが、 誰もが知る錚々たる名門ドメーヌばかりが名を連ねているといいます。 サウマ氏は収穫時にブドウ畑をまわり生産者の声を聴くことに注力し、 圧搾が終了したばかりのブドウの果汁を試飲。 毎年各アペラシオンのテロワールを最もピュアに表現している造り手を厳選し 各アペラシオンに一つの生産者からブドウ果汁を購入しています。 サウマ氏のブルゴーニュワインへの情熱は現地でも知れ渡っており、 畑の所有者よりも深くテロワールに精通し、「彼はクレイジーだ!」と言わしめるほど。 その熱い情熱に心を打たれたトップ生産者たちは、喜んで最高のワインを差し出してくると言います。 樽で購入したブドウ果汁はその後自分のセラーに移し、 低温で温度管理しながらゆっくりと自らの手でマロラクティック発酵を行い熟成。 その際に使われる樽に使用するオークは、各ワイン(区画)とヴィンテージの特徴に合わせて、 じっくり、そして丁寧に炭であぶって造るというこだわりぶりです。 そして、特筆すべきは、他の生産者とは一線を画す特異な熟成方法。 ブルゴーニュのドメーヌは熟成セラーが限られていることもあり、 基本的に熟成は1年ですが、ルシアン・ル・モワンヌは、倍の25ヶ月以上の熟成を行います。 しかもその間、酸化を避けるため澱引きを一切行いません。 また、亜硫酸を極力加えず、ワインから出た澱と炭酸ガスで 酸化を防ぐという伝統的な手法で熟成されます。 澱とともに長期熟成を経たワインは、フレッシュでありながら、 澱からのエキス分と経年による熟成によって驚くほど複雑。 その後の最後の瓶詰めも樽から直接手作業で行っており、 自らの手によるハンドメイドの許容量までしか造らないというこだわりを持ち、 どのヴィンテージも生産量は100樽を超えることは決してありません。 究極の目利きで優れた畑を選び抜き、とでもユニークな方法で仕立て上げた彼のワインは、 まさに最高の生産者の、最高のキュヴェを集めた豪華コレクションと言えるラインナップ。 ブルゴーニュのあらゆる常識を塗り替えた、「夢のワイン」とも言える作品なのです。 「世界のベストレストラン」第1位に4度輝いたデンマークの「ノーマ」、 イギリスの「ファット・ダック」、今はなきスペインの名店「エル・ブリ」、 バスク地方の「ムガリッツ」など、世界のトップレストランが もれなくオンリストしていることからも、彼のワインが 大変注目を集めていることが分かります。