Rosso “Gio Gio” / Summer Wolff (Cascina Iuli) 赤 750ml
長くワインの仕事をして来たファブリツィオの奥さんサマーが造った、彼女の想いが詰まったレーベル。飲み心地や土着品種に目を向け、個性を持ちつつ健全なナチュラルワインを目指す。ジョー・ジョーに使用する葡萄のフレイザは、フレイザ・グロッサではなくフレイザ・ピッコラ。生産量は少ないですが高品質。うどんこ病に強く、夏の乾燥にも強い。晩熟でネッビオーロの直前に収穫期を迎えるため、モンフェッラートの土地に適している品種。真っ赤な果実の香り、心地よい酸と繊細だが非常に存在感のあるタンニン、まさにエチケットのイメージそのもの。晩熟のため、明るい果実のパワーを感じる味わい。心地良い酸と、細やかながらも存在感のあるタンニンがバランス最高!
奥さんが立ち上げたレーベル 「サマー・ウルフ」。
もともとはニューヨーク出身のファブリツィオの奥さんサマー。食品飲料業界で20年以上多岐にわたり働いてきた経歴を持ち、いつしか彼女は自分のレストランを開くことを夢見ていました。その後ワインに傾倒するようになり、ファブリツィオと出会い、ともにワイナリーを営んで来ました。そんな彼女はワインに対して明確なワイン観を持っています。 「ナチュラルとは、ワインが濁っていて、かわいくてお茶目なラベルが貼ってあるという意味ではありません。ナチュラルとは、VAやマウスが多すぎるワインという意味ではありません。ナチュラルとは、SO2 を一切添加せずに造ったワインという意味でもありません。ナチュラルとは、かっこいいTシャツを着て、近未来のナチュラルワインイベントにすべて参加しなければならないという意味でもありません。」 沢山のナチュラルな造り手と出会い、彼等の苦労を学んで来た上で、自分ではどう違うことが実際に出来るのか、常に考えながらワイン造りに取り組んでいます。
2014 年にイタリアで初めて、世界遺産として葡萄畑の景観とワインの文化が登録された土地の1つでもあるモンフェッラート。実はバローロやバルバレスコよりも古くからワイン造りが行われてきました。彼等のワイナリーは、トリノとミラノの間にある田舎のモンフェッラート地方の小さな町、モンタルド・ディ・チェッリーナに位置します。ピエモンテのこの隠れた一角では、生活のペースはとてもゆっくり流れ、農業が主な生活手段です。観光バスやランゲの手入れの行き届いた葡萄畑からは程遠い場所。彼等にとって、この地域で最も重要な部分は、丘陵地帯を貫く石灰岩の鉱脈です。彼等は、この地域の白亜質の土壌を共有するいくつかの区画を見つけ、野生酵母とステンレススチール、コンクリート、古いオーク樽のみを用いて自然な方法で作業することで、繊細でありながら楽しく、飲みやすい、モンフェラートならではのワインを表現しています。 1930 年頃、彼の祖父であるジョアッキーノ・ナターレによってワイナリーの最初の葡萄の樹が植えられました。そして祖母のエルネスティーナは、自宅の居間に小さなオステリアをオープンしました。そこは、温かい料理と温かいもてなしの場として、村の人々の集いの場となりました。賑やかに楽しく、生活の一部として彼等のバルベーラが楽しまれていたのです。現在は正式なレストランではありませんが、その雰囲気は今でも続いています。ファブリツィオと奥さんのサマーが
料理をしたり、ビールを注いだり、彼等の幼い息子たちもその場を村の人々と一緒に楽しんでいます。
ファブリツィオの祖父の時代からずっと化学薬品が一切使用されていない畑。周囲は森に囲まれ、この町でワインを造っているのは彼等だけ。孤立しているようにも見えるほどですが、周囲の影響を受けないこの土地は生物多様性を保護する上では利点でもあるんです。また、森には沢山の野生のイノシシが生息
しているため、多くの葡萄が食べられてしまうのですが、最終的にはそのイノシシを彼らが調理し、バルベーラ豚の煮込みとしてふるまわれています。石灰岩が豊富な土壌と、夜が涼しい気候のおかげで、果実味は凝縮しているのに、軽やかさやフローラルなニュアンスをまとったワインになります。