Gheppio / Ca de Noci (赤) 750ml
濃いガーネットの色調。最初感じる揮発的な還元香も序々に薄れ、熟れたベリー系果実やスパイスのアロマが豊富に現れ、複雑で深みのある熟成香を感じます。味わいは果実味豊かなタンニンと豊かな酸によってフレッシュさが保たれて、熟したプルーンのジャミーさと、バルサミックな味わいの余韻に満たされます。
マルボ・ジェンティーレ主体で、その他野性品種をアッサンブラージュ。収穫後、冷蔵庫で一晩冷やして、揮発的な香をモストに移す。翌朝、手でプレスしてステンレスタンクに入れる。15日間マセラシオンしながらステンレスタンクで発酵。その後、500Lの古いトノー樽に移して澱と共に36ヶ月間熟成。時々、澱を攪拌しながら酸化防止剤無しで熟成させます。
父「ヴィットリオ」によって 60 年代に植えられた畑を 「アルベルト」と「ジョヴァンニ」の兄弟が引き継ぎ、彼等独自の考え方で維持している。 『自分が飲みたいワインを造る。白ワインは軽さが必 要。赤ワインはサラミの脂にも負けない旨みと美し い酸が欲しい。毎日の食事の為のワイン』 ピアツェンツァとモデナの間「レッジョ・エミリア」の田舎 道に彼等のカンティーナ「カ・デ・ノーチ」はある。 1 階部分が住居でガレージに発酵槽。2 階部分がバ ルサミコの熟成庫。地下がワイン熟成庫。 『100%自社畑。スペルゴラ等地品種のみを栽培。 1993 年からモデナ大学の協力の下、土壌を研究し ながら有機栽培を実践してきた』 アペニン山脈の麓に広がる約 10ha の土地で、この 地方では最も高貴な存在と考えている胡桃の栽培も 行っている。 『胡桃はギリシャ神話において女性崇拝のシンボル であり、地獄の創造と同時に輪廻再生を象徴するも のとして登場する。神聖な植物』 彼等は胡桃の樹を高貴な存在と考えていて「ノチー ノ」(胡桃のリキュール)の蒸留は重要な仕事。 葡萄はクロストロ渓谷に沿って横たわる石と泥混じり の丘陵地帯に約 5ha の畑を所有している。 『地品種を守りたい。スペルゴラやマルボ・ジェンティ ーレ、ランブルスコ・ディ・モンテリッコ、ズガヴェッタを 主体に絶滅寸前の地品種を増やしている』 この丘の土壌は貧しく痩せている。この土壌が低収 量の果実をもたらし葡萄の個性を最大限に引き出し てくれる。この土壌だからこそ活きる地品種。 彼等はヴィンテージによって大きく違う個性のワイン をリリースする。彼等ほどヴィンテージの個性を解りや すく感じさせるワインも珍しい。 『地品種は国際品種と違って個性が強い。欠点もあ る。気温や降雨量の影響を受けやすいのでワインに も影響する。隠すべきではない』 「スペルゴラ」は酸度が非常に高い。完熟しても酸度 が落ち切らない品種で、完熟しなければかなり強い 酸味が残ることになる。 畑で使われるのは植物質であれ動物質であれ、有 機的な物質のみ。銅と硫黄は極小量使用。 『自然のバランスを整えていく。菌類から赤ゲラ、何 世紀も前からある巨木まで、すべての動植物の均衡 を崩さないような栽培が重要』 彼等は地品種の個性を活かす為に必要最低限の手 助けをどのタイミングで行うかだけに集中する。 より良いワインを造るより、地品種の個性を消さないこ とを優先。彼等の目的は地品種の復活。 『この地方は灌漑が当たり前だが僕等はしない。施 肥も 1 度もしない。除草さえもしない』 畑では昆虫が色々な草木の受粉を行い、害虫の駆 除も自然のサイクルの中で行われている。 地品種は元々、自然と共生していた品種なので自然 の中で育つことが最も合っている。
彼等は収穫からボトリングまで酸化防止剤を一切添 加していない。それでもワインは安定している(醸造 過程で生成される SO2は 12mg/l 程度)。 『SO2 を足さなくても発酵時のガスを残すことでワイ ンは酸化から守られる。収穫時に腐敗果が混ざら ないことが重要』 通常の生産者は畑も大きく、季節労働者が収穫をす るので腐敗果も混ざってしまう。大量に収穫すれば 果汁が少しずつ漏れ出し酸化が始まる。 その為、収穫時に SO2 を添加してバクテリアの繁殖 と酸化を抑える必要がある。SO2 は酸化防止と殺菌 の 2 つの目的で使われている。 『僕等は畑が小さいので毎日腐敗果を手で取り除け る。収穫量も少ないので果汁が漏れ出す前に圧搾 して発酵桶に入れられる。SO2 は必要ない』