Timorasso “Costa del Vento” / Vigneti Massa (白)750ml
西向きのコスタ・デル・ヴェント畑。畑名は風の通る畑の意味。マール土壌で石灰が少なく重い土壌。日照量も多いので葡萄は完熟する。手収穫後、低温で1日おき、圧搾。48~60時間のみマセレーション。発酵はステンレスタンクで18度~23度の低温で行う。バトナージュしながら1年間熟成。粗い珪藻土のフォルター後、6ヶ月間瓶熟成。果実を最も感じられる畑。口中での甘み、広がりが大きい。葡萄品種:ティモラッソ
「エリザベッタ・フォラドーリ」は友人「ヴァルテル」のこ とを何でもできる変人と呼んでいる。 地元「モンレアーレ」の町をワイン造りで復興させた 情熱家であり、変革者。「ティモラッソ」という品種を 一気に有名にしてしまうプロモーターでもある。 『そして品種個性を理解し、表現する天性の感覚を 持った醸造家でもある。彼が造ると全ての品種の 個性がワインに素直に現れる』 。 彼の畑は全て「モンレアーレ」に位置。標高は 300~ 350m。仕立はグイヨだが、春の摘芯を行わず、ツル は自然に伸ばされる。 ツルの先端を切るとツルの成長が止まり、果実に栄 養が使われるようにするのと同時に果実の成長を同 じタイミングにすることになる。 『同じ成熟度の葡萄だけでは複雑味は出てこない。 摘芯をしないで芽かきも最小限にすることで不揃い な成長が期待できる』 。畑内で微妙に成熟度が違うことが重要で自然。成 熟度が綺麗に揃った葡萄からは単純なワインしかで きない。 『少し完熟前のティモラッソはグレープフルーツやカ モミールの香がある。完熟したティモラッソは蜂蜜や ナッツのニュアンスが出てくる』 。 色々な成熟度の葡萄が一緒に発酵することで、より 複雑で奥行きのあるワインが産まれる。
ティモラッソの父
当主「ヴァルテル・マッサ」はトルトーナ地区「モンレ アーレ」の産まれ。祖父も健在で現役で「ティモラッ ソ」からワインを造っている。
『30 年前まではモンレアーレには 60 軒以上のカン ティーナがあり、ワイン造りが行われていたが 5 軒ま で減少してしまった』 。
彼等はこの町を「ティモラッソ」で復興させようと、大 量生産を中止し、当時は考えられなかった高品質 「ティモラッソ」を造り始める。
『1800 年代ティモラッソは食用として人気だった。 トルトーナ原産だが北イタリア全域に広がった。アレ ッサンドリアではコルテーゼにブレンドされた』 。
PH が低く、糖度も高い。高貴品種としてのポテンシ ャルを持っていたが、正しい栽培と正しい醸造がな されていなかったことに気付く。
『ティモラッソは土地の個性を表現できる。そして偉 大な酸を持っていた。しかし、酸化に弱かったので 扱いは難しかった』 。
1987 年から「ティモラッソ」を植樹し始める。その当 時「ティモラッソ」をボトリングしていた人は 1 人もいな かった。 全ての畑を 6000 本/ha の密植に植え替え、収量制 限を行う。繊細な香を活かす為にステンレスタンク で低温での低温発酵を採用。
『品種特有のナッツ香、グレープフルーツ、ミネラル 感は高い温度での発酵やマセラシオンによってマス キングされてしまう』
。収穫後すぐに低温で 2~3 日だけマセラシオン。25 度以下に管理しながら、長めの 30 日間発酵させる ことで品種個性が前面に出てくる。