Barolo / Oddero (赤)750ml
クラシック・バローロの教科書的存在。優雅で広がりのある味わい。強さよりも柔らかく伸びのある味わいが魅力。
クリュの概念がない頃から造られていた色々な畑のアッサンブラージュ・バローロなのでクラシコと名付けている。セカンドワインではない。畑はカパロット、サンタ・マリア・ブリッコ・キエーザ(ラ・モッラ)とブリッコ・フィアスコ(カスティリオーネ)。発酵は畑毎に分けて20日間マセラシオンして発酵。29度以上にならないように温度管理。スラヴォニア大樽とオーストリア大樽で30ヶ月熟成。
現存するバローロ、バルバレスコの造り手の中で最も古い歴史を持つと言われる「オッデーロ」。今も 1700 年代に建てられた当時のカンティーナで醸造している。初めてボトリングしたのは 1878 年。それ以前はダミジャーナで販売していた。『60 年代にジャコモ・オッデーロがアンジェロ・ガヤの父ジョヴァンニやリナルディ等と共に DOCG の元になるバローロの法規制を作った』第 2 次世界大戦後、荒廃したランゲの畑は農民に手放されていったが、ジャコモは畑を買い足していくことを決意。そのお陰で現在でもラ・モッラ、カスティリオーネ・フ ァレット、セッラルンガ、モンフォルテ、バルバレスコと幅広い地域の最良の畑を所有している。『各地域の最良の畑を所有しているのは僕達だけ。長い歴史のお陰。同じ醸造方法で各地域の最良の畑の葡萄を醸造するからテロワールが解る』彼等の所有する畑は「ブルナーテ」「ヴィーニャ・リオンダ」「ブッシア」「ヴィレッロ」と各地域の最良の畑ばかり。他の造り手ではあり得ない豪華さ。そして、特殊なのがバルバレスコ。法律ではバルバレスコの葡萄をバローロ内で醸造するとランゲ・ネッビオーロになってしまう。『バローロで唯一醸造を許されているバルバレスコがオッデーロのバルバレスコ・ガッリーナ。法規制前から造っているから例外で認められている』 所有畑は 35ha。90 歳を越えた先代から 1997 年に栽培・醸造を受継いだ娘の「マリアクリスティーナ」が全ての畑を有機栽培に切り替えた。『先代の時代は農薬が推奨された時代だったが、少しずつ減らし、97 年から徐々に有機栽培に移行。現在、全ての畑は有機栽培となった』畑ではコンポストと硫黄、極少量の銅のみが使われる。除草剤、防虫剤は一切使用しない。『ティニョーラ(害虫)にはホルモン剤を使用。ホルモンを麻痺させることで交尾できなくなり、その結果、害虫の数が減っていく』彼等の畑は各地に点在し、1 つ 1 つは非常に小さいので隣の畑の影響も受けやすい。隣の造り手とも協力し合い有機栽培を推進している。 『僕等の大きな特徴はネッビオーロのクローンの多様性。古くから所有しているので 16 種類以上のクローンが混在している』有機栽培の次に畑で取り組んでいるのが葡萄樹の循環型自主生育。ツルをできるだけ切らずに自由に伸ばすことで葉を増やし、光合成を助成。『ツルを切る事で葡萄を凝縮させる造り手が多いが、僕等のスタイルではない。グリーンハーヴェストもほぼしない。過度な凝縮は必要ない』有機栽培によって厳しい環境で育つ葡萄は自然と収量を落としてくれる。グリーンハーヴェストは収量制限ではなく、風を通す為に行う程度。 一時期はバリックを試したり、ステンレスタンクでの発酵も試みたが、現在はセメントタンクでの発酵に戻し、バリックは廃棄された。『セメントで自然酵母のみでゆっくり発酵。温度管 理はしない。マセラシオンは葡萄の状態に合わせて20-30 日』「マリアクリスティーナ」とその子供達によって伝統的オッデーロの味わいは復元された。古いスラヴォニアの大樽を主に、「フォラドーリ」や「ロアーニャ」も愛用するオーストリア産ストッキンガー社の大樽を使用。 『ストッキンガーは樽材が厚く、目が詰まっているので酸素供給率が低い。タンニンも少なく、香、口中の甘みがほとんど出ない』そして「DRC」「パカレ」も愛用するフランス産グルニ エの大樽も良い結果を出している。『1 年目の樽はバルベーラと相性が良い。2-3 年は ランゲ・ネッビオーロ。その後、4年目からバローロに使用する』透き通った色調の彼等のワイン。過度な凝縮や抽出を嫌い、パンチングダウンを行わない。最低限のルモンタージュのみで発酵を続ける。『全てのバローロの醸造は同じで良い。テロワールの違いだけが味わいを造り出す。何故ならオッデーロはバローロ最良の畑を所有しているから』