LANGHE ANAS-CETTA / ELVIO COGNO (白) 750ml
コーニョのワインの一番の特徴は、現在でも国際品種を一切使わず、ネッビオーロを中心としたピエモンテ州ランゲに古くからある土着品種のみを使用していること。こちらの「ランゲ・アナス・チェッタ」は、コーニョの本拠地であるノヴェッロ村を発祥とし、現在でもランゲ地区のみで栽培されている珍しい土着品種、ナシェッタ種を使用した、コーニョが手掛ける唯一の白ワインです。
ナシェッタ種は、ヴェルメンティーノを原種とする白ブドウ。暑い気候で育つナシェッタ種は、果実の甘さと旨みを凝縮した味わい深さが特徴です。19世紀まではランゲの各地で栽培されておりポピュラーであったものの、国際品種の導入により一度絶滅。コーニョなどの少数のワイナリーにより畑の所有はされていましたが、製品化は長らく行われていませんでした。その後、コーニョのオーナー兼ワインメーカーのヴァルテール氏が1986年ヴィンテージのナシェッタ種を使用したワインを試飲し、そのランゲのテロワールを表現するにふさわしい美味しさに感銘を受けたことから本格的な生産のスタートを決意。1994年に自社畑のブドウで800本のワインを生産したのを皮切りに再生されました。当時ランゲの土着品種として認められていなかったナシェッタ種は、2000年、ランゲの固有品種として公式に認められ、ヴァルテール氏はその功績により、「ナシェッタ種の父」とも称されるようになりました。その後ヴァルテール氏の後を追うかたちで、25もの生産者が続々とナシェッタ種の栽培を開始。そうして2010年にはD.O.C.ナシェッタとして認められるまでに成長したのです。 ナシェッタ種を使用したこちらのワイン、「ランゲ・アナス・チェッタ」の商品名にあるアナス・チェッタとは、ピエモンテの方言で、ナシェッタを表す言葉。ナシェッタが長らくイタリアの公式ブドウ品種として認められていなかったため、ワイン名として方言のアナス・チェッタを使っていたことに由来しています。このように、ランゲ・アナス・チェッタは、ヴァルテール氏のランゲという土地への深い愛情と、後世にナシェッタ種の美味しさを伝えたい、という熱い思いにより生まれた、エルヴィオ・コーニョならではのワインなのです。
ナシェッタ種の味わいを最大限に引き出すための一番の工夫は、シュール・リー(澱を取り除かず、漬け込んだままの状態でおくこと)で熟成すること。まず収穫したブドウは70%をステンレスタンク、30%をバリックで発酵。生き生きとした酸を活かすため、マロラクティック発酵は行いません。熟成はまず、ステンレスタンクで澱とともに6ヶ月間。これにより、爽やかなアロマとフレッシュでフルーティーな味わいを引き出しています。その後アリエ産の大樽で更に6ヶ月間熟成し、瓶詰。3ヶ月間瓶内熟成されリリースされます。 外観は金色に輝く麦わら色。ローズマリーやセージなどのハーブのニュアンスに引き続き、柑橘系やトロピカルフルーツの複雑なアロマがいつまでも続き、繊細かつ上品な印象。爽やかでありかつ穏やかなミネラルは、その繊細なアロマを心地よく支えます。5-10年の熟成ポテンシャルを備えており、現時点では柑橘系のフレッシュさが中心的要素ですが、年月とともにリースリングのような滑らかな舌触りやナッツのような香りが表れ、素晴らしい変化を遂げていきます。適温は10-12℃。フルーティーさやリッチさを味わうためにも、冷やし過ぎずに飲むのがベストです。新鮮な魚介類、白身の肉や野菜料理、クリームチーズなどと好相性です。