Rosso “Nino” / Cascina Iuli (赤)750ml
モンフェラートの丘の古い醸造所を改装して始まったピエモンンテ最小規模の生産者協同組合。畑は全てビオロジ ック。日常のワイン、でも上質なワインを目指しています。
1999年にモンフェラートのわずか1ヘクタールの区画にピノ・ネロを植樹。粘土石灰土壌で北向きの畑。野生酵母のみで、ステンレスタンクにて発酵。マセラシオンは10日~12日。マロラクティックから1000lの大樽に移し、そのまま16ヶ月熟成。ボトリング後、6ヶ月瓶塾してから出荷。モンフェラートのピノ・ネロは希少。
歴史は浅く、1998 年にモンフェラートの古い醸造所 を改築して仲間 4 人で始めた協同組合。醸造を担 当するのは「ファブリツィオ」。実際は彼が栽培から 醸造まで全てを担当している。 「ファブリツィオ」の家系は 1942年からモンフェラート でトラットリアを経営してきた。祖母と母が料理を作っ て、祖父と父が畑で葡萄を栽培し、ワインを造り、店 で提供していた。 『1930 年にバラッバにバルベーラを植樹。ワインを 造り店で提供したり、近所に販売していた』 その後、家を出て宝石のデザインの勉強をしたが、 ワイン造りが忘れられず帰郷。トラットリアは閉店した が、近所の人達はワインを必要としていた。 『葡萄畑は素晴らしい状態だった。樹齢も高まって いたので引き継ぎ、新しくピノ・ネロを植樹。本格的 にワイン造りを開始した』 住民は 70 人のみ。過疎化する生まれ故郷のモンタ ルドで 1500 年代の古い家屋を購入し、醸造所に改 築、周辺の畑を買い増していった。 4 人の所有畑は全部合わせて 9ha。イタリアで最も 小さい共同組合。今では所有畑に加え、9ha の長 期間リース契約をして合計 18ha になっている。 畑は全てビオロジック認証を得ている。父親の代も ボルドー液以外は何も薬品を使ったことはなかった ので記録上 1 度も使っていない。 モンフェラートはランゲとは違って大きな造り手がい ない。そして、ほとんどの造り手が有機栽培を導入し ていて土壌は守られている。 『エチケットにビオ認証の表示はない。ビオロジック や自然なワイン造りだから選ばれるのは嫌い。イウ リの味が好きな人に選んで欲しい』 「ヴァン・ナチュール」というカテゴリーも好きではない のでグループにも属さず、試飲会にも参加しない。 エチケットで選ばれるのも嫌いなので、少しダサイくら いが丁度良いのだそう。 『祖父が今でも剪定を担当している。できる限りツ ルを伸ばし、自由に仕立てることで凝縮度ではなく 自然な味わいを大切にしている』 仕立はグイヨだが昔ながらの高い仕立。ツルは切ら ずに伸ばし、2m 程度の位置でワイヤーに巻き付け ていく。 『土壌は粘土主体で石灰質を多く含む。モンフェラ ートの中では標高が高く 350m を超す。重厚さでは なく軽やかさの表現に向く』 日照量に合わせて葉の量を調節するだけで、摘房 は基本的に行わない。人間の介入をできるだけ少 なくすることでその年の個性が守られる。 近年、モンフェラートの地品種「スラリナ」を植樹。バ ルベーラよりも収量が極端に少なく、栽培も難しいの で今ではほとんど栽培されていない。 『スラリナはピノ・ノワールとガメイに近い個性を持っ ている。繊細さ、ミネラル感の表現に優れている』
収穫は 9 月末から 10 月中旬。発酵は全てのワイン で野生酵母のみ。 『以前は完璧な熟度を追求し、長いマセラシオンを していた。今は完熟の 1 歩手前で収穫。マセラシオ ンも短くしている』 ヨーロッパとアメリカの色々な造り手で働き学んだ「フ ァブリツィオ」。当初は重厚なワインを造っていたが、 近年の彼のワインは全く違う。 『以前のワインは水平的な味わいだった。でも、今 のワインは垂直的な味。祖父や父、自分も毎日飲 みたくなるワインを造っている』 祖父の時代の収穫タイミングに戻し、収量も増やし た。葡萄の状態に合わせマセラシオンも 10 日程度 に短くした。これによってバランスを取っている。 『20 年前の味覚と今の味覚は違う。軽やかでバラ ンスの良いワインが飲みたい。バランスの先にエレ ガンスがある』 ■バルベーラ・デル・モンフェッラート・ロッソーレ ステンレスタンクで発酵開始し、マロラクティックから 古バリック。15 日間のマセラシオン。 『典型的なバルベーラ。バルベーラを飲んだ後の唇 の色をワイン名にした』 ■バルベーラ・デル・モンフェッラート・バラッバ ステンレスタンクで発酵開始し、マロラクティックから 古バリック。15 日間のマセラシオン。新バリックで 28 ヶ月熟成。 『樹齢 80 年。最も重要な畑で 1 本の樹から 0.8kg しか収穫できない』